あやとり

野口広 著
大陸書房1980年9月刊 
対象
あやとりの総仕上げに、あやとりの文化を知りたい人。
分かりやすさダイヤ
難易度    ダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤ 
 この本を始めて見たとき、私は感動しました。その頃、私は購入できるあやとりの本から数々のあやとりを取れるようになっても、あやとりは子どもの遊びという認識が離れることができず、あやとりをすることに引け目を感じていました。
 しかしこのには世界中であやとりを子どもだけでなく大人もしている姿が多くあり、勇気付けられました。
 そしてあやとり文化の奥深さを知ることもできました。例えばあやとりの歴史について、あやとりの精の話、あやとり唄のようなまだまだ知らない何かがたくさんあると思い知らされ、私もあやとりを求めて探検してみたい、いつか現地に行って教えてもらいたいと夢馳せてしまいました。
 内容は大きく分けて日本、エスキモー(現イヌイット)、アメリカインディアン(現アメリカ先住民)、ハワイ、パプアニューギニア付近、ナウルと地域ごとにわかれて紹介しています。
 ただし、取り方のほとんどが文字のみによる説明なので分からないものが多いです。私はこの本を見た時ほとんどのあやとりが取れませんでした。
 取り方が写真付きの他の本から取り方を覚えて紐解いていくことで、取り方を紐解いていきました。しかしこの本にしか載っていない複雑なものだと未だにお手上げなものがあります。
 しかも不幸なことに名前や取り方が間違っているものがあるそうです。私にはどこが間違っているのか分かりません…。いつか訂正表みたいなものができたらよいなと思います。
 
 この本は子どものためには書かれていません。あやとりの本は子どもを対象に書かれているので複雑なものや、想像しにくいもの、名前が分からないものは割愛されます。この本でしか見られない複雑なあやとりが数十点見ることができるでしょう。 
 そしてこれが1番重要なことですが、この本は定価が1万円もします。はじめて聞いたとき、見たとき間違いだと思いました。しかし実物を取ってみると確かに…。
 現在、この本を手に入れるためには古本市場に頼ることになります。古本といっても侮るなかれ。現在でも6千から7千円で売られています。
 また数は少ないですが図書館でも見ることができます。お近くの県内の図書館になければ取り寄せてもらいましょう。