はじめてあやとりを集団に教える。

たいへんだー!とある人に、今、あやとりにはまってると話してしまったことから私があやとりを、みんなに教えるという機会を得てしまった。断りきれなかった!

うー。

規模は20人弱ぐらい、年齢層は50から70歳くらいの男女比1対1の集まり。あやとりは余興とし使われるらしい。だいだい10分で終わるようにとの事。しかも頼まれたのは1週間前。

んー。

いったい何を教えればよいんだー。難しすぎてもだめ、簡単すぎてもだめ、且つ、タイトル通りに見えるものでないと納得してくれないだろう。しかも1対1でなく、1対20。皆さんがあやとりをどれくらいできるのかも検討がつかない。というか、どのひもを取っているのか見えないだろう!全部口で説明せんといかん!

ていうか、ホントに大丈夫なの?あやとりでって感じなのですが。もう引き受けたことを後悔してます。眠れぬ夜が続いてます。話した人には綾取が日本だけでなく外国にもあるということを言ってしまったので、外国の綾取に絞った。候補としては、

アパッチ・ドア
見た目が美しいので気に入ってもらえるはず。簡単だと思った。よくよく考えてみると、親指ひもをはずす操作、口で説明するのは難しい。

簡単。簡単。このあやとりが気に入って私はいつもパチンパチンしてました。だから気に入ってくれるはず。でもなぁ、蚊だよ。目上の人に蚊を教えるのもなぁ。
バタフライ
できあがったときのぐるぐる。あれはすごいインパクトに残る。でも10分じゃなぁ1回ぎりぎり教えるのがやっとのような。それにひねる操作ができるかどうか。
4段ばしご
ここは無難に。。。。時間が余ったら5段、6段にでも。知っている人が多いのかな。
魚(ハワイ)
誰が見たって魚だよね。よく書く魚の絵と似てるし思ってるのは私だけかな。ああいう魚の絵って昔は書かんかったのかな。でも10分じゃ時間が余りそう。

考えた挙句、魚にしようかと。何か他にもないかなぁ。只今、台本製作中。
どうなる!私。

〈古今百風〉吾妻餘波 壹編

西尾岩瀬文庫にちょうど私が行ったときに開催されていた岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展Ⅲこんな本があったという企画展示にて紹介されていたのは『幼稚遊昔雛形』と『〈古今百風〉吾妻餘波(あづまなごり) 壹編』でした。この書物にもあやとりの絵があります。

詳しくは国際あやとり協会のデータベース、アート作品江戸明治大正に紹介されています。また、さいとうたまさんが書かれた国際あやとり協会の会報2004の表紙(さいとうたまコレクション)に採用されています。

もちろんこの書物にもふたりあやとりの姿がありました。あやとりは女児の遊びとして紹介されています。どの浮世絵を見ても例外なく女の子があやとりをしています。男の子があやとりをしてる姿なんてあるのかなぁ。たぶん今も昔もあやとりは男女関係なく取られていると思うのだけれども、実際のところはどうなんでしょうか。今も、あやとり=女の子というイメージが付いているのでしょうか?

母や祖母からあやとりを教わるというのはイメージも実行もできるのですが、父、祖父からというのは私はイメージができません。これだけあやとりのことを考えても父に聞くというのは、今まで思いつきませんでした。これを機会に聞いてみようと思います。

幼稚遊昔雛形

今日は晴月園さんの米米まんじゅうを買いに愛知県西尾市に行ってまいりました。西尾と”あやとり”の関係は西尾市岩瀬文庫に所蔵されている「幼稚遊昔雛形(おさなあそびむかしひながた)」です。国際あやとり協会のデータベース遊戯史考証のページで紹介されています。

西尾市岩瀬文庫は古書の博物館で江戸から戦前までの書物が約8万点所蔵されています。しかも実物の書物を実際に手に取れる博物館なのです。100年前の書物に実際に触れることができるなんて滅多にできない体験です。ドキドキです。

私も実際に「幼稚遊昔雛形」(広報にしお「岩瀬文庫コレクション」2004に紹介あり)を触れてみようと思い、出かけました。しかし、行った時間が遅かったため(申し込みは午後3時半まで)現物に触れることができず、断念。「幼稚遊昔雛形」を複写したものを閲覧しコピーしてもらいました!

あやとりの絵がありましたよ。ふたりあやとりをしてる姿が。どんな浮世絵を見ても、古い書物を見ても、必ずふたりあやとりをしている姿が描かれています。あやとり=ふたりあやとりなんですね。ひとりであやとりをする姿は最近の傾向なんでしょうか。そういえば、ひとりであやとりをしている姿の浮世絵なんて見たことがないですね。

行ったときにちょうど企画展示されていた「岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展Ⅲこんな本があった!」(2006年4月2日にて終了)に実物が展示されていました。しかも隣には『古今百風吾妻餘波(あづまのなごり)が!次に続く。

あやとりアンケート第1回中間報告

あやとりアンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございます。アンケート人数が50人を突破しましたので、ここで中間報告をします。このあやとりアンケートは2003年5月から2006年3月2日までのアンケートに基づいて作成しました。

アンケート内容はこちらです

アンケートの目的は「カメの作り方」です。

私(愛知県出身)は鉄橋→カメ→ゴムのあやとりのとき、カメを両中指を使用して取っていました。しかし関西の友人達に聞くとカメは片方の中指でとるそうです。私は、この経験から関西地方では片手、関東地方では両手という仮説を立てました。

2つめの目的は認知度

両手しか知らなかった私にとって片手のカメは珍しいものでした。片手のカメは認知度が低いのでは?と考えました。

結果

今回はこの仮説についての結果を議論します。得られた結果により都道府県別にわけ、両手を使う人が多い県を赤片手を使う人が多い県を青、同じ人数の県を黄色にしてみました。

あやとりアンケート人差し指中指地図

具体的な数字はこちら。

 

あやとりアンケート結果

人数が少ないので、色分けするのもどうかと思いますが、やはり気になるのは大阪府でしょう。回答数も多いですが、片方の中指に集中しています。大阪のみなのでしょうか。関西地方は片手というのは断言はできないようです。

両手か片手かと言う議論についても6対4の割合で、片手のカメも広く知られているようです。

次は100人を目指したいと思います。

アンケートは終了しています

 

わかりやすいあやとり百科

わかりやすいあやとり百科
有木昭久 著
ポプラ社2003年2月刊
対象
誰でもOK。
特に子どもたちにあやとりを教えたい人や保育士さん。
分かりやすさ 4
難易度 1から3
今のあやとりには何が必要なのか、そんなことを考えていた時期が私にはありました。結局出した結論は、伝えること、教わること、開発することでした。その時の私はあやとりを学術的に捉えてました。でも1番必要なことってあやとりを楽しむことなんだと、忘れかけていたことをこの本から教わった1冊を紹介します。
今回、紹介する本のイチオシは何といっても「ふたりあやとり」です。子どもの時、飽きずにだらだらと同じことを何回も繰り返してました。大人になって川を作れば誰もが取ってくれるでしょう。そんなふたりあやとりをもっとおもしろくする方法がこの本には書かれています。読んでみて、もし知っていた方法ならばゴメンナサイ。
「みんなであやとり」のページはあやとりの導入としても使えます。保育園であやとりをやったらおもしろそうですね。だけどあやとりはいっぺんには教えられません。あやとりとは呼べないかもしれませんが、あやとりに必要な感性はこのページで磨かれるでしょう。
有木昭久さんが書かれた本は工夫で溢れています。「ふたりあやとり」のページにしても、「みんなであそぼう」のページにしても、誰もが思いつきそうなことなのですが、私は見落としてました。ともかく見る一見ありです。

習慣@本屋

 私は本屋さんと図書館が大好きです。時間とお金の大半を本につぎ込んでいるといっても過言ではありません。おそらく、大きな本屋さんなのにお店の人たちは私のことを
「また来たな。」
とたぶん覚えていることでしょう。
 本屋さんへ行くと必ず「あやとり」のコーナーで止まります。あやとりの本なんて、せいぜい5,6冊置いてあるだけです。それでも毎回、買おうかなどうしようかなと立ち止まってしまいます。
 今日は、まじめに買おうかなと悩んでいたところ、横から少年の視線が…
えっ何?、何か本をとってほしいのかなぁ。
そんなことを思いながら、買うかどうかを迷ってました。少年の視線に耐え切れず、そそくさとその場を立ち去ると、少年が親に向かって、
「あやとりの本がいい」
と言っているではありませんか。
 結局その親子は本を買うことはなかったのですが、ちょっと何か、あやとりの普及に貢献した気分でうれしかったです。
 いろいろとある趣味の中で人がやっているところを見て自分もやってみたいな、やろうかなと思わせるものの中で「あやとり」は、老若男女、性別年齢問わずに思わせることができる遊びなのかもしれません。
 それにしても、あやとりの本が1番上の棚にあるなんておかしいなぁ。

あやとり いととり 親子であそぶあやとり絵本(全3冊)

あやとり本のベストセラーといってもよい本。20年以上も前に発売されて現在に至るまで刷られている本である。なぜ20年以上も刷られているのでしょうか?

それは、あやとりの取りやすさと覚えやすさにあると思います。しかしこの本は幼児がひとりで学べるほど分かりやすくには作られてはいません。むしろ親子で一緒に遊ぶために作られています。
あやとりはひとりでするより、誰かと一緒にあやとりをしたほうが誰かに教えてもらったほうが覚えやすいです。その時に覚えやすいこともありますが、数十年後にはきっと、その時の思い出とともに手があやとりを覚えているでしょう。

そしてこの本は絵本と名のつくように1冊が薄く1ページが厚い。そのためあやとりがしやすいのです。あやとりをしているとき両手がふさがっているため本を開いた状態にしたままにしたり、ページをめくることはとても難しいです。私はよくページの端を足でふんずけて母親に行儀が悪いと怒られました。その点この本はしっかりと開くこともでき、めくりやすいのであやとりがしやすいのです。
この本の珍しいのは著者のさいとうたまさんが実際にあやとりを人から教わってきたものを紹介していることにあります。最近、私は気がついたのですが2巻目の背表紙に4段ばしごのさいとうさんが教わったいろいろな呼び名が書いてあります。その中のひとつに「やまみち」とある。これにはどこがやまみちなのか悩みましたが、ふと分かりました。
この本であやとりを学んだ子供たちがそろそろ親になりあやとりを教えている頃です。子どものときと同じ本で遊ぶことができる。こんなにも幸せなことがあるのでしょうか。残念ながら私はこの本からあやとりを教えてはもらえませんでした。私もこの本からあやとりを教えてもらいたかったです。

あやとりいととり全3冊セット

文・採取 さいとうたま
絵    つじむらますろう
福音館書店1982年11月刊
対象:親子で一緒にあやとりをする子
分かりやすさ:ダイヤダイヤダイヤ
難しさ:    ダイヤダイヤ

あやとり

野口広 著
大陸書房1980年9月刊 
対象
あやとりの総仕上げに、あやとりの文化を知りたい人。
分かりやすさダイヤ
難易度    ダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤ 
 この本を始めて見たとき、私は感動しました。その頃、私は購入できるあやとりの本から数々のあやとりを取れるようになっても、あやとりは子どもの遊びという認識が離れることができず、あやとりをすることに引け目を感じていました。
 しかしこのには世界中であやとりを子どもだけでなく大人もしている姿が多くあり、勇気付けられました。
 そしてあやとり文化の奥深さを知ることもできました。例えばあやとりの歴史について、あやとりの精の話、あやとり唄のようなまだまだ知らない何かがたくさんあると思い知らされ、私もあやとりを求めて探検してみたい、いつか現地に行って教えてもらいたいと夢馳せてしまいました。
 内容は大きく分けて日本、エスキモー(現イヌイット)、アメリカインディアン(現アメリカ先住民)、ハワイ、パプアニューギニア付近、ナウルと地域ごとにわかれて紹介しています。
 ただし、取り方のほとんどが文字のみによる説明なので分からないものが多いです。私はこの本を見た時ほとんどのあやとりが取れませんでした。
 取り方が写真付きの他の本から取り方を覚えて紐解いていくことで、取り方を紐解いていきました。しかしこの本にしか載っていない複雑なものだと未だにお手上げなものがあります。
 しかも不幸なことに名前や取り方が間違っているものがあるそうです。私にはどこが間違っているのか分かりません…。いつか訂正表みたいなものができたらよいなと思います。
 
 この本は子どものためには書かれていません。あやとりの本は子どもを対象に書かれているので複雑なものや、想像しにくいもの、名前が分からないものは割愛されます。この本でしか見られない複雑なあやとりが数十点見ることができるでしょう。 
 そしてこれが1番重要なことですが、この本は定価が1万円もします。はじめて聞いたとき、見たとき間違いだと思いました。しかし実物を取ってみると確かに…。
 現在、この本を手に入れるためには古本市場に頼ることになります。古本といっても侮るなかれ。現在でも6千から7千円で売られています。
 また数は少ないですが図書館でも見ることができます。お近くの県内の図書館になければ取り寄せてもらいましょう。

あやとりランド!

渡部協子 監修
日本文芸社2005年8月刊
対象
学校であやとりブームが来て、一通りみんなが知っているあやとりを覚えた子
もう一度あやとりをやり直したい人
分かりやすさ 
難易度

 2006年現在、書店で発売されて間もないということで最も入手しやすい本でしょう。
 全編フルカラー写真の変形B5サイズのひも付きの本は子どもがひとりでもできるように分かりやすくできています。ひもの長さ、難易度が3段階で表示されとても親切です。内容も簡単なものからカモメのような難しいものまであり、この一冊で初めての人も、新たに始める人も楽しめると思います。
 ただこの本は『あやとりについて』の部分が少ないことから、親と一緒にあやとりをするために書かれていないように思えます。「お母さん、おばあさんに聞いてみましょう」といった文章がないので、あやとりが全国的に広まっていて誰もが取れることが分かりません。おばあさんもお母さんもあやとりが取れるという、この遊びのおもしろさを知らない人が読んでしまったら、あやとりはただのゲームになってしまいます。そういった意味でこの本は、初めての人には向いていません。
 次に、あやとりについての情報が少ないため、次につながる要素が少ないのが残念です。例えば、この本では日本のあやとりなのか、外国のあやとりなのかが分かりません。ひとこと地名を入れるだけで世界地図を取り出して眺める子もいるのではないでしょうか。この本からではあやとりだけで終わってしまうような気がします。
 この本ならば子ども一人でもすべてのあやとりが取れるでしょう明日、友達に見せるためのあやとりの練習本といったところでしょう。
 私のこの本での一番のオススメは『足のうら』です。

二人あやとりの始まりの川

なぜ『川』になったのか?

ふたりあやとりの始まり『川』。(人によっては始まりが異なります。)この大きさの異なる3つの四角形から得られる図形を『川』と見立てるのは至難の業だ。

単純な図形ほど見立てるのは難しい。大部分が想像力で補わなければならないからだ。この『川』は本が3冊並んでいるところでもよいし、電柱が2本立っている空間だって見立ててもよいはずだ。

代々『川』として教わってきたこともあるが、これほどまでに『川』と浸透するからには理由が何かあるはずだ。

ふたりあやとり『川』は、おそらく手前と奥にある小さい四角形のほうを川の土手を表し、真ん中の大きい四角形のほうを川を表しているようだ。

ここで想像力を働かせて、川と土手を頭に描いてみる。この川はいったいどんな川なのだろうか、海に行き着くような大きな川かもしれない、子どもでも渡れるような浅い川かもしれない。

子供でも渡れるような浅い川…もしかしたら『川』はふたりであやとりをするから『川』になったのではないだろうか。

昔々どこにでもあった光景。みんなと一緒に遊んだ川。対岸にはみんなが川を渡って待っている。でも自分だけが川を渡れなくてみんなと向かい合っている。早くおいでと誘っている。

だから『川』はあやとりだけでなく人も含めて『川』になるのではないだろうか?きっと一人では川と名前が付かなかったのかもしれない。

こういう光景は今では見られないかもしれない。川の中に入って渡るなんてことないもんな。今で言うなら『川』は歩道と道路か…